WordPressサイトのバックアップ

バックアップの目的

近年、企業や個人にとってウェブサイトはなくてはならない存在となりました。しかし、バグやハッキング、人為的なミスなどによって、せっかく構築したサイトが閲覧できなくなるトラブルも発生しています。
このようなトラブルに備えて、バックアップを取得しておくことは非常に重要です。
本記事では、サイトのバックアップの重要性、バックアップの種類、具体的な取得・復元手順について解説します。

<注意>
本記事は、簡易的なWordPressサイトのバックアップおよび復元を想定しております。
サイトによっては本記事以外の設定も必要になります。

1. バックアップの重要性

サイトのバックアップを取得しておくことで、以下のメリットを得ることができます。

  • バグやハッキングによるサイト消失からの復旧
  • 誤操作によるデータ損失からの復旧
  • サイト改修前の状態への戻り

2. バックアップの種類

サイトのバックアップ方法は、大きく分けて2種類あります。

方法メリットデメリット
プラグイン簡単・手軽に取得できる
定期的な自動バックアップも可能
問題が発生した場合、原因特定が困難
場合によっては復元不可
手動確実に復元可能取得・復元に手間がかかる
定期的なバックアップを忘れがち

3. バックアップ方法の選択

プラグインでのパックアップは、即時取得も定期的な取得も簡単にできるため、通常運用中のバックアップとしては、プラグインでのバックアップで十分と思います。
しかし、大きな変更(サイトの移行やアップグレード時)を行う時は手動でのバックアップも行っておくことでサイト復元不可という最悪の事態を回避することができます。
プラグインでのバックアップ手順については、ネット上に様々な分かりやすい記事が沢山あるので本記事では割愛し、手動でのバックアップ手順について以下記載します。

4. 具体的な取得・復元手順

4.1 手動バックアップの取得手順

  1. WordPressファイルのダウンロード
  2. データベースのエクスポート

4.1.1 WordPressファイルのダウンロード

FTPソフト(FileZillaなど)を使って以下ディレクトリをサーバーからダウンロードします。

  • plugins
  • themes
  • uploads

 ※「public_html」や「wp-content」を丸ごとダウンロードでもOK

4.1.2 データベースのダウンロード

phpMyAdminにログインし、データベースのエクスポートを行います。
対象のデータベースを全て選択して「エクスポート」を行います。

<メモ>
対象のデータベース名やID・PWを忘れた方は、「wp-config.php」を確認ください。

4.2 バックアップからの復元手順

以下3手順となります。

  1. WordPressファイルのアップロード
  2. データベースのインストール
  3. データベースとWordPressサイトの紐づけ

4.2.1 WordPressファイルのアップロード

FTPソフトを使って、ダウンロードしたWordPressファイルをサーバーにアップロードします。
※ 既存フォルダに上書きでOK

4.2.2 データベースのインポート

phpMyAdminにログインし、データベースのインポートを行います。
エクスポートしたSQLファイルを選択して「インポート」を行います。

クエリーのエラー (1050): Table ‘wp_blc_filters’ already exists
のようなエラーが出た場合は、既存のDBを削除したうえでインポートしてください。

4.2.3 データベースとWordPressサイトの紐づけ

復元したWordPressの管理画面にアクセスできない場合があります。主な理由は以下の通りです。

  1. WordPress側から見たDBの設定が相違している
  2. DBから見たWordPressの設定が相違している
4.2.3.1 WordPress側から見たDBの設定が相違している

wp-config.phpに「DB_NAME」「DB_USER」「DB_PASSWORD」の設定箇所があります。それぞれデータベース名、ユーザ名、パスワードなので誤りがあれば修正します。

4.2.3.1 DBから見たWordPress側の設定が相違している

wp-optionsの中に「siteurl」、「home」の設定があります。それぞれ接続先URLの設定となりますが、設定に相違があれば修正します。
他にも接続先URLに相違があれば修正します(DB内はキーワード検索可能です)

まとめ

いざ復元が必要な場面に直面してから対応方法を調べるのでは、閲覧できない期間が長くなったり復元出来ないリスクがあります。
すぐに復旧できるよう準備しておくことで安定的なサイト運営ができます。
この記事がそのような運営に少しでもお役に立てれれば幸いです。

参考にしたサイト
プラグイン・FTPソフト&phpMyAdminを使ったバックアップ・復元方法について詳細にまとめられていたサイト

https://www.spiral-platform.co.jp/article/managed-cloud/596/
https://webst8.com/blog/backwpup-updraftplus-comparison/